Yama no Mori Distilling Company
山乃守酒造(山乃守)

山乃守酒造

長崎県壱岐市

山乃守蒸留酒製造所の軒下に一歩踏み込むと、時代をさかのぼったような気がする。土間に埋め込むように置かれた土器の巨大な醸造瓶(かめ)は、これまで100年、同じ場所から動かされたことがない。山乃守は、壱岐島で最古の蒸留酒製造所であり、また壱岐島は16世紀に麦焼酎の製造が開始された場所でもある。封建時代には平戸藩の圧政下で治められ、島で収穫される米のすべては年貢として取り立てられた。島民たちは麦を食べざるを得なかったのだが、同時にこの粗末な素材から焼酎を造る技術に長けるようになった。

麦は炭水化物の含有率が米ほど高くないため、麦焼酎の味はしつこさがなく、さっぱりとしている。種々の好ましい風味を極限まで引き出すために、山乃守は、最近ではほとんどの蒸留所が使っている真空蒸留器ではなく、昔通りの常圧蒸留器を使用している。真空蒸留器は花の香りのようなアロマにあふれるエステルを見事に抽出する反面、瓶に詰められた段階で、アミノ酸から発生して焼酎の性格を形成する、豊潤で自然な香味に乏しい。

山乃守は米糀1/3、麦2/3を使用して造られる。この配合は、高質の酒と似た透明性や清澄さ、さらに手造りの九州焼酎の素朴な魅力に富む焼酎を生み出す。壱岐島は日本の麦焼酎の中心地域としての歴史的意義を日本政府に認められ、名酒産地としての指定を受けている。

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